わたしたちが孤児だったころ2006年10月29日 23:58

読了

戦前、戦中の上海、ヨーロッパ(上流階級)の空気感がでている作品でした。個人の人が集まることで出来た集団の中で、階層的に物事が成り立っているとされていた世の中。階層の上位構造からであればメスを入れられると信じていたけど、個人の力の届く所ではなかった。

主人公が二度上海に着く前あたりから、主人公周辺の混乱さが強くなり、正直読んでいるのが苦痛だった。世界の混乱さを表していたのだとは思うけど、5分後の世界を読んでいた時みたいで、その世界を読者として消化出来なかったのだと思う。 ラストは綺麗にまとめていたのが救いかな。